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人間が食べてきた肉の一覧

食べられてきた動物たち

人間は究極の雑食動物です。本来摂食・消化の器官が対応していない食物まで、加工調理という特有の過程により食べてしまいます。殻を割り、繊維は外し、毒は除く。筋はとろかせ、渋は抑え、硬ければ砕き、軟らかければ固める。漉し、煮詰め、漬け、混ぜる。環境にある限りの中から、何とかして食べてしまうというその特性は、人間の適応能力の大きな部分を担っています。

あらゆるものを喰わんとするそんな人間にとって、肉は特別です。採取にリスクがあったり、生産に大きなコストのかかったりしてでも、人間は肉を食べ続けきました。一方で、食の禁忌や忌避の多くは、まず肉食を対象とします。

なぜ肉を食べるのか。また、なぜ忌避するのか。肉への欲とその力を理解する手始めとして、「肉」の範囲を見渡したいところです。そこでまずは、人間が食べてきた肉の対象となる動物を、なるべく多く集めます。

一覧では「脊椎動物の内、魚類を除いた哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類の体組織」を肉としています。

魚や昆虫、その他節足動物や軟体動物も肉と言えますが、”求められ忌避される肉”としては、魚と上記の範囲では大きく違うと考えるためです。また体組織というだけでは曖昧ですが、細かくすると例外ばかり増えそうなためざっくりとしています。品種なども踏み込んでいくと膨大になるため、概ねひとつの系として認識される単位で採り上げつつ、必要に応じて細かく分けます。

さらに「どこかで誰かが食べたこともある」程度のものまで含めると、ほとんどの動物が該当してしまうため、食べることがある程度の集団に定着している、または定着していた事が確認できるもののみ対象とします。

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哺乳類

生物 その他の表記 英語表記 食べられている地域 概要
ウシ cattle, cow, beef(肉) 世界中 幅広く飼育される家畜の中では最も大型。乳の生産量も大きく、材料としての骨や皮革、燃料や建材としての糞、そして農耕道具に至るまで、人間との関わりの幅は広く深い。
スイギュウ 水牛 water buffalo, bubalus arnee インド, 東南アジア, 中国 肉はウシに比べて固いが、乳はバターの原料として非常に重要。
「牛を食べない」と思われているインド(ヒンドゥー)でも、スイギュウはウシと区別され、肉が食べられている。
バイソン bison, buffalo アメリカ 主に最大種のアメリカバイソンが食べられている。
開拓時代には大量に食べられたが、現在は下火に。ヘルシーな牛肉としてある程度消費されている。
ブタ pig, hog, swine, poke(肉) イスラム圏を除く世界中 牛・鶏と並ぶ畜産による食肉の主力。
生肉だけでなく、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工品が非常に重要。牛や鶏のように乳や卵は無いが、皮は利用される。
イノシシ boar, wild pig, wild swine 日本, 他不明 ブタの原種で畜産には向かず、大量に消費されるものではない。日本では主に害獣駆除の狩猟によって供給され、「ぼたん鍋」が有名。
中国では「猪」でブタを指すため、翻訳時は少しややこしい。
イノブタ 猪豚 日本, 他不明 原種であるイノシシと、訓化された家畜種であるブタを、更に掛けあわせたもの。野生化したブタとイノシシの交配で生まれる場合もある。
肉はイノシシの野趣とブタの旨味を持ち合わせるらしい。
ヒツジ sheep 世界中 羊毛が最も重要な生産物だが、肉も幅広く食べられている。消費地域だけ見ればウシやブタより広く、中東から西アジアでは非常に重要。
成獣には脂肪に特有のにおいがあるため、食べ慣れない地域では子羊肉(ラム)の方が好まれる。
日本では北海道のジンギスカンが有名。
ヤギ 山羊 goat 世界中, 沖縄 羊より乳の生産量が高く、牛乳に似ていて、荒れた土地でも育つため、広く飼われていた。一時日本では沖縄以外での飼育が激減したが、現在は雑草を食べての山林管理などから再び注目されている。
日本では羊も山羊も馴染みが薄いためはっきり区別され、肉はほとんど沖縄でしか食べられていない。世界中でかなり広く食べられていて、山羊肉が一般的な地域では羊肉とひとまとめにして扱われることもある。子ヤギと子ヒツジの肉はかなり似ている。
ヤギの乳から作るチーズはヨーロッパでは重要で、シェーブルチーズなどが有名。沖縄ではヨモギと似たヤギ汁や、刺し身が好まれている。
トナカイ 馴鹿 日本人にはほとんど馴染みない肉。強いて言えば、鹿に似て、癖がなくレアでも美味しい。
北欧の物語などでは「トナカイのシチュー」が家庭的な料理として表現されるなど、広く親しまれている。スウェーデン、フィンランドなどで特に食べられるが、カナダでも好まれる。
ウマ 交通と軍事、農耕に利用されてきた歴史を持ち、世界中で身近な動物。
モンゴルは特に有名で、フランスなども馬肉を食べることで有名。一方、イギリスやアメリカでは強い忌避感を持つ者も多い。大量の馬を利用してきた中国では、他の肉ほど食べられてこなかったが、最近は需要が増えてきている。
日本では馬刺しや桜鍋など、珍味ではあるが、特に抵抗なく食べられる。また、コーンビーフには当たり前のように馬肉が使われていた時代がある。現在は、牛肉と称して馬肉を使った偽装事件の方が話題になることが多い。
ウサギ 主要な食肉ではないが、世界中で、一定数食べられてきた食肉。
比較的狩りやすく、攻撃されることも少ない。繁殖力も高いため、狩りの獲物として最もポピュラー。今の日本でも狩猟の対象で、田舎暮らしの子供には、始めての解体作業となることもある。
肉は柔らかで脂が少なく、結着性に富む。日本では煮込んで食べるのが一般的だが、ジビエを珍重するフランスでは、手の込んだ料理も多い。
シカ 鹿 日本では猪と並んで駆除対象となる害獣の代表。
肉質は柔らかく、脂は少ない。血の味の濃さはあるが、良く処理した肉にクセは少ない。成熟した個体の肉は旨味も濃く、強いソースにも応える。
ヨーロッパやアメリカでは狩猟の獲物として非常に愛好される。日本では味の良さと駆除の観点から徐々に注目されているが、まだまだ普及していない。
イヌ ペットとしてのイメージが強過ぎるため、近代の多くの国では忌避される。しかし食肉としての利用の歴史は非常に長い。
韓国の滋養食としての犬鍋や板肉は有名。中国、ベトナム、フィリピンなど他のアジア圏でも広く食べられている。ポリネシアでも、犬類の肉は愛好される。スイスでは食肉に対する禁忌が弱いのか、猫肉と並んで、現在も食べる習慣が一部にある。
日本では薩摩藩のオノコロ飯が有名だが、獣肉禁止の中でも、ある程度食されていた。また飢饉の際は、他の獣肉とともに盛んに食べられた。
肉食獣の肉は臭みなどがあるとされるが、犬肉も独特のクセがややある。よく煮込んだり蒸したりすればクセは抑えられるが、犬肉そのものの個性も消える。
ネコ 犬同様ペットのイメージが非常に強い。しかしやはりその肉食の歴史は長いし、今でも愛好する文化がある。
中国を中心にアジアでは比較的食べられる。犬肉と並んで、スイスもある程度の消費地。日本でも江戸の頃までは、それなりに食べられていた。現代での猫食は、犬食より更に非難されやすい。
食肉生産の専業化大規模化にともなって、非効率的な肉食獣肉の生産や消費は避けらる傾向にある。中でも広い愛玩性を持つ動物は、忌避感が強化されやすい。
サル サルには多くの種があるが、アフリカや南米では様々な小型のサルを食べる。古くは食べられたていたが、現在の日本では滅多に食べられない。一般的なペットではないにも関わらず、種としての近さからか忌避感が強い。
家畜ではなく種も多様なため、肉質は様々。
ゴリラ 生息地では貴重な肉として食べられている。特にコンゴでは伝統的に好まれ、反政府軍が食用に狩るなどして絶滅の危機が高まっていた。
クジラ イルカも含めて扱われることも多いが、ここでは鯨類の肉とする。
利用は先史時代からで、世界各地の沿岸地域で食べられてきた。アジア、北欧、北米などでも重要な食料源であり、脂や骨、髭など、肉以外の材料源としても珍重されてきた。日本では、流れ寄せる尊いものとしてなのか、ヒルコ神、あるいはそれに同一視された恵比寿との性質が一致し、漂着神として信仰する地域がある。勇魚などとも呼ばれる。
現代では反捕鯨の大きな動きがあり、利用国との間で激しい対立が起きている。特に日本の調査捕鯨は避難の的となりやすく、シー・シェパードなど過激な団体から暴力的な攻撃を受けることもある。

その巨大さから、それぞれの部位が食材として独立して扱われる事が多い。日本ではかなり細かな分類を行い、肉や内臓だけでなく、オスメスの性器も区別して扱われる。尾の身は特に美味とされ、刺し身などで食べられる。
捕獲が禁じられているシロナガスクジラが最上とされるが、現在は通常まず食べることはできない。
イルカ 海豚
クマ
アザラシ 海豹
アシカ 海驢
トド 胡獱, 魹
ゾウ
マンモス
ラクダ 駱駝
カンガルー オーストラリアに生息する有袋類。有袋類は、多くの哺乳類に比べて胎盤の機能が劣り、出産後に育児嚢で子を育てる。
カンガルーは、ヨーロッパ等からオーストラリアへの入植までは、先住民であるアボリジニの重要な食料だった。ディンゴ等を使った狩りを行い、熾や蒸し焼きなどにしてあまさず食べられた。ヨーロッパ入植後は、食料及び害獣として、大いに狩猟の対象となった。現在でも、交通事故及び農業被害から、駆除対象でもある。
カンガルーの肉は、主にオーストラリアで消費される。抵抗感を減らすために「ルーミート」などとも呼ばれ、海外にも輸出されている。肉質は赤身で、一般に手に入る肉の中では牛肉が近い。ただし脂肪分は少なく、ややクセもある。
基本的に全てのカンガルー肉は、狩猟によって供給される。野生で大量に存在するカンガルーは、飼育した場合コストが見合わないためである。狩猟によるため、生産は厳密なコントロールを受けておらず、時に品質に問題が起きる場合もある。
リス 栗鼠
ネズミ
ヌートリア
カバ 河馬
キリン
カピバラ
ヤク
リャマ
アルパカ
ロバ 驢馬
タヌキ
ハクビシン 白鼻芯, 白鼻心
センザンコウ 穿山甲
ヒト 人, 人間 近代では激減したし、決して主流の食料ではないが、人類は歴史上同じ人間を食べてきた。

鳥類

生物 その他の表記 英語表記 食べられている地域 概要
ニワトリ
カモ
アヒル 家鴨, 鶩
アイガモ 合鴨
ガチョウ 鵞鳥
キジ
ウズラ
ハト
リョコウバト 旅行鳩
スズメ
ツグミ
ツル
カラス 烏, 鴉
フクロウ
ダチョウ 駝鳥
エミュー
シチメンチョウ 七面鳥
ハクチョウ 白鳥
ホロホロドリ
ヒヨドリ
ウコッケイ 烏骨鶏
クジャク 孔雀
サギ
シギ
アトリ 花鶏, 獦子鳥
イスコ
インコ 鸚哥
オシドリ 鴛鴦
ライチョウ 雷鳥
ヒバリ 雲雀
マガン 真雁
タシギ 田鴫
カッコウ 郭公
ペンギン
ズアオホオジロ

爬虫類

生物 その他の表記 英語表記 食べられている地域 概要
ヘビ
ワニ
カメ
トカゲ 蜥蜴

両生類

生物 その他の表記 英語表記 食べられている地域 概要
カエル
サンショウウオ 山椒魚
イモリ 井守
メキシコサラマンダー ウーパールーパー